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恩田陸『ネバーランド』。冬休みを学生寮で過ごす少年達が織りなす青春物語。 | 書籍レビュー

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こんにちは!Tomikaです。
今回は恩田睦著「ネバーランド」をご紹介していきたいと思います。

恩田睦さんについて

この本の著者である恩田陸(おんだりく)さんについては、こちらの記事でご紹介しています。
あわせて読んでいただければと思います。

恩田睦さんの作品は、色々なジャンルの小説を発表しており、どれもストーリーや物語の登場人物の描写を丁寧に表現されるので、読み始めると、どんどん物語の中に引き込まれる作品を沢山書かれています。

 

 「ネバーランド」について

この本のあらすじについてご紹介します。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。

この作品は寮生活を送る3人+1人が、それぞれの事情を理由に、実家に帰省せず、寮で冬休みを共に過ごすという青春ストーリー。
4人だけの生活の中で、各自が抱えているトラウマや過去の出来事、自身の内側にある弱い面をゲームの罰ゲームによる「告白」という形で、吐露していく。
他愛のない会話の中からも垣間見る、青春期に抱えるナイーブさや危うさを醸しながら、繊細さや家族や友人との関係、恋愛話などが複雑に絡ませているところが著者らしい作品です。

 

本作品の主な登場人物

本作品に登場する主な登場人物は、冬休みを寮ですごす男子高校生4人。

本作品の語り手であり、親が海外にいるために寮に残った美国(よしくに)。
大人っぽい雰囲気を漂わせながら、微かな影を持つ光浩(みつひろ)。
快活で、美国のことを気に入っている寛司(かんじ)。

実家組だが、ひょうひょうと色々なグループを渡り歩き、寮に出入りする統(おさむ)。

普段はクラスメイトとして接している彼らが、4人だけの世界で過ごす冬休みの2週間が始まる。
美国はこの状況について、こんな風に感じている。

緊張している。俺は緊張しているのだ。これから二週間、自分よりも大人っぽく存在感のある光浩と寛司についていけるかどうか。

普段の学生生活では、いつも皆、微妙なバランスの中で生活している。

向き合う相手の反応やその場の雰囲気を読み合う、計算された会話。

ガリ勉だと思われたくないし、つまらない奴だとも思われたくない。学生生活はバランス感覚が全てだ。

いったんクラスの中における互いに割り振られたキャラクターを了承し合ってしまえば、あとは約束された毎日を過ごしていける。

・・・

だが、三人だけで二週間クラスとなれば話は別だ。クラスの40人がいればこそ割り振ることのできたキャラクターもここでは役に立たない。この三人の間で、互いに新たな役割を振り当てなければならない。

このように、彼ら4人での生活の中で、新たな役割を持ちながら、互いの距離感や関係性を徐々に保つようになっていきます。

時には踏み込まれたくない部分に入ってしまい、距離感がつかめなくなってしまうこともありがなら、互いに役割を補完し合いながら4人の生活が始まります。

そんな中で、統があることに対する「懺悔」をしたいと申し出ます。

それにより、お互いの中にある秘密を告白し合うゲームが始まります。

 

告白ゲーム

光浩「統の望み通り懺悔大会といこう。ただね、俺はお互いの身を守れるように一つだけルールを考えたから、それに従ってもらえないかな」
統「ルール?」
光浩「うん。1つだけ嘘を混ぜてほしいんだ」

こうして始まった告白ゲーム。
そのルールの中で統が告白したのは、「自分が母を殺した」という衝撃的なものでした。
その告白の中で、彼はどんな嘘を入れたのか・・・。

 

4人が抱える事情や悩み

統の告白を皮切りに、それぞれが抱える後悔や懺悔が明らかになっていきます。

寮で自殺をしたクラスメートについて。

美国がなぜ彼女と別れたのかが垣間見れる過去の記憶。

突然の寛司の両親の訪問。

光浩の抱える生い立ちや彼の苦悩。

など、サスペンス要素だけでなく、青春や恋愛などの学生時代特有の要素も織り交ぜながら、淡々と物語が進んでいきます。

 

まとめ

この本の内容をまとめると、青春時代の爽やかさの中にある闇の部分や他人には知られたくない秘密をそれぞれ抱えながら生きている青年たちの青春の1ページを垣間見れる作品となっています。

内容はとても重いものですが、彼らがそれぞれの問題に向き合いながら成長していると思わせてくれるラストであり。彼らがきっと素敵な大人になって再開し、またお酒を酌み交わして馬鹿話をしているのであろうと思わせてくれるものでした。

いかがでしたでしょうか?

今回は、恩田陸さんの作品「ネバーランド」をご紹介しました。

内容が気になった方は、ぜひ一度読んでみてください。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

Tomika